ひとりの時間を
もつということ
「ひきこもれ」基本情報
著者:吉本隆明
子供の頃から引っ込み思案で、引きこもりがちの性質だった著者。
一人で引きこもって、誰にも邪魔されず長い時間を過ごすことが必要だという。
一人で過ごす時間こそが、価値を生むと力説。
引きこもりを容認してくれるので、引きこもりには優しい一冊。
後半は死生観や戦争の話となり、著者独特の世界観。
共感できる部分と出来ない部分と
著者は引きこもりを推奨しています。
ただし、ずっと永遠に何もせず引きこもれという事ではなく
- 引きこもって何かに没頭する
- 引きこもって考えを深める
- いつか引きこもりで出来る職業が見つける
自身も引きこもったお陰で、作家になれたというような事が書かれています。
長い人生の中、少しの間引きこもるのは私も賛成。
ゆっくり休息を取り、一度立ち止まって色々考えてみるのは大賛成。
どんな職業でも一人で考える時間が必要とも書かれている。
あなたは明るくて社交的ではないかわりに、考える事、感じて自分で内密にふくらませることに関しては、人より余計にやっているのです。それは、毎日毎日価値を生んでいるということなのです。
ただ毎日考えて過ごす事で何の価値を生むのだろう・・・。
考えるだけで行動しなければ、何もしていないのと同じではと思ってしまった。
また著者は才能があったから作家になれたけど、引きこもりで出来る職業が運よく見つかる人がどれほどいるのだろうか。
ずっと引きこもる事は出来ない
ズバッとは書いてないけど、結局これが言いたいのかと思った。
引きこもるのは考えを深めて、いつか引きこもりで出来る職業を見つけるため。
ただ、どこかで何らかの場所に出ていかなければいけない時は来ると、何度か書かれています。
確かにずっと引きこもりだとしても、両親とも死んだら外に出るしかないですよね。
不登校でも構わないと言われてますが、制度の中にいて自分が感じる違和感を感じた方がいいとも書いてます。
そして不登校だけで集まるコミュニティに入るのではなく、一般社会にいて不登校を貫く方を勧められています。
これも微妙かな。
不登校なら他者と違和感を感じる事もないですし。
ただ、自分と似たような人ばかりの環境が良くないというのは同意しました。
同質の者が集まって作る世界は傷つくこともなく快適ですが、先が閉じています。
居心地はいいと思うけど、それだけな気がします。
何もせずこのままでいいんですよって言い続けるのって、結局問題先送りにしているだけでズルい。
アルバイトと恋愛のススメ
著者は引きこもりでもいいから、興味のあることに手を動かすことが大事、アルバイトでもいいと言ってます。
多分、ガチの引きこもりならアルバイトも出来ない状態かなと思います。
著者のいう引きこもりは深く考える為に引きこもっているけど、引っ込み思案ながらもバイトも出来て、人との交流もあってという感じかな。
私の考える引きこもりは、仕事もせず親の金でゴロゴロしてるか、完全に病気のイメージ。
もちろんバイトなんてしない又はできない。
世代が違うからか、私の考えてる引きこもりと違う気がする。
そして恋愛のススメ
異性というのは、そういう状況から抜け出す一つの契機になりうるのかもしれません。親に食べさせてもらっている状態では、好きな人と暮らすことはできないわけですから
恋人が出来たらデートもしたいし、いずれは結婚もと考えるでしょう。
そういう意味で恋愛を勧めているけど、そもそも引きこもりには出会いがないから、恋愛するまでのハードルが高いかと・・・。
マッチングアプリとかで知り合ったら、外に出たいと思うようになって引きこもりから脱却できるんだろうか。
「ひきこもれ」を読んだ感想
吉本ばななさんのお父上という事で、何となく気になって何となく読んだ本。
病気なら仕方ないけど、私はやはり引きこもりにはなりたくないなって思いました。
ただ、長い人生で少し休憩という意味で引きこもるのはOK。
途中からいじめられた子供が自死する話が出てきますが、それは親から受け継いでいるのだという意見には全く同意できない。
運命は変えられないから諦めろと言われているみたい。
それなら引きこもって考えたって、何の意味もないのじゃないのか・・・。
そして母親の胎内にいる時から全ての性格はほぼ決定してるという、身も蓋もない話には暗い気持ちになりました。
好きか嫌いかでいうと私はこの本は嫌いです。
そして何の解決策も提示されないまま、ご自身の戦争観の話で終わりました。
吉本ばななさんの小説は好きでしたが、エッセイを読んだときに違和感を感じました。
あ、この人嫌いって思ったんですね。
それと似たような印象を受けてしまった。