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正反対の僕と少女「君の膵臓をたべたい」住野よる

2024年12月13日

読後、きっとこのタイトルに涙する

「君の膵臓をたべたい」概要

著者:住野よる

2016年の本屋大賞第2位

ある日、主人公の僕は病院で一冊の文庫本を拾う。

本と思っていたが、それは人気者のクラスメイト山内桜良の闘病日記だった。

そこには膵臓が悪く、もうすぐ死ぬと書かれていました。

秘密を共有した二人は急速に距離を縮めていき、それまで人と関わる事を避けていた僕は、桜良との出会いで変わっていく。

登場人物

小説好きの高校生。

名前は某小説家に似ていて、図書委員をやっている。

クラスでは地味で目立たない存在。

山内桜良

僕のクラスメイト

膵臓が悪く余命が少ない。

クラスでは陽キャで人気者の存在。

キョウコ

桜良の友人

タカヒロ

クラスの学級委員で桜良の元カレ。

悲壮感があまりない

余命いくばくもないヒロインとなると悲壮感漂う感じですが、この小説はあまりそういう部分はないです。

とにかく病気のヒロインが明るく陽気なのと、主人公の僕がクールで淡々としています。

「ねえ、君はさ」「うん?どうしたの?」「本当に死ぬの?」

「君の膵臓をたべたい」より

さらっと言ってるけど、何気にすごいですよね。

また僕自身も、桜良がもうすぐこの世からいなくなることを度々忘れて(信じられなくて)なってしまいます。

ろくな大人にならないだろうな、となんの疑いもなく思ったけれど、そういえば大人にならないんだったと思いだした。

「君の膵臓をたべたい」より

本当にこの子死ぬの?って思ってしまうくらい明るいんです。

自分が死に直面したときに、こんな風にふるまえるだろうか?とつい考えさせれれてしまいました。

対照的な二人

主人公の僕は陰キャ。

名前は最後まで出てこないので一人称の僕。

桜良やクラスメイトから呼ばれるときは【地味なクラスメイト君】【秘密を知ってるクラスメイト君】【仲良し君】などと呼ばれています。

要するに、いてもいなくても同じようなタイプの地味で目立たない男の子。

そしてヒロインの桜良はクラスの人気者で、桜良はいつも友達に囲まれているようなタイプです。

とても対照的な二人が出会って、僕が少しづつ変化していくのが面白いです。

まず僕の性格を表しているのが

「まかせるよ」まかせる、というのはなんて僕に似合う言葉だろう

僕は現実の世界よりも小説の中の方が楽しいって信じてるから

「これまで何人が君に傷つけられてきたんだろうね」交友関係の広い彼女のことだから、その数は計り知れないだろう。まったく、罪深い人間だ。その点交友関係がない僕は、人を傷つけるようなことはしない。どちらが人として正しいのかは、判断が分かれると思う。

僕はクラスメイトの顔を全ては覚えていない。人と関わることのない僕に、人の顔を憶える能力は必要ないので、退化してしまったんだろう。

「君の膵臓をたべたい」より

このあたり、陰キャの人ならわかると思います。

本当に人の顔とか全く覚えられないんですよ。

本当にマジで。

私も自分の事書かれているみたいな気持ちになりました。

よって僕にすごく感情移入してしまった。

どちらがいいかは分からないけれど、人生で得するのは完ぺきに桜良の性格の方でしょうね。

僕の心境の変化

人と関わらず生きて行きたいと言っていた主人公の僕ですが、桜良と出会った事で少しずつ変化していきます。

これが人付き合いだと彼女が言うならば、僕はやはり誰ともかかわらずに生きていきたい。

あー、楽しい。彼女がいるからだ。

僕は人とのかかわりを喜んでいた。生まれて初めてだった。誰かと一緒にいて、一人になりたいと一度も思わなかったのは。

「君の膵臓をたべたい」より

すごい変化です。

あんなに人との関わりを拒否していた僕が、人といることを楽しんでいます。

この変化も、すごく丁寧に描かれていて引き込まれました。

やはり人との出会いで人は変わっていくものなんでしょうか。

これには僕の素直で純粋な性格が大きい気がします。

陽気な彼女と陰気な自分。

彼女に劣等感を感じるのではなく、多くの事を気づかされると素直に受け止めているのが、僕をここまで変化させたのかもしれません。

好きなシーン

あまり書くとネタバレになってしまうので

  • いきなりの一泊の外泊
  • 二人のおみくじ対決
  • 眠っている桜良を起こすシーン

曲でいうとサビみたいなメインのシーンも好きなんですが、このあたりのシーンも可愛くて好きでした。

おみくじを引くところは、ちょっと切なかったけど。

眠っている桜良を触れなくて、輪ゴムでパチンってやって起こすの僕らしくて良かったです。

「君の膵臓をたべたい」の感想

すごく読みやすい小説です。

泣きました。とくにラスト付近からの展開に。

先に映画を観てしまったので、脳内で桜良が浜辺美波に変換されてしまい、顔を浮かべながら読んでしまいました。

特に僕が僕自身を分析している箇所が多く、その度に「分かる~」と同調してしまいました。

読み終わったころには、「僕」のファンになってしまいました。

小説好きなところや、ポテチはコンソメが好きなところも一緒だった。

本屋大賞納得です!

映画化

2016年に本屋大賞を受賞して、2017年に浜辺美波と北村匠海のW主演で映画化されています。

アニメ版は見ていませんが、実写版はラストがちょっと改変されています。

でも、とっても良い映画だったので、映画も良ければご覧になってみてください。

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