24歳女子の
不器用な初恋物語
「よだかの片想い」概要
著者:島本理生
生まれつき顔にアザがある主人公。
悪意はなくても、無自覚に同情されてきてたくさん傷ついてきた。
そんなアイコの元に友人のまりえから、顔にアザやケガのある人のルポルタージュをやるから、雑誌に出ないかと依頼が来る。
少し迷うが、誰かの役に立てるならと引き受けたアイコ。
そして写真が雑誌の表紙を飾ることになり、そこから徐々に日常が変わっていきます。
一人の男性との出会いを通して、成長していく理系女子大生の物語。
登場人物
| <前田あいこ> 24歳。大学院生 顔に痣があり自己肯定感が低い。 |
| <飛坂逢太> 映画監督 あいこのルポルタージュを映画化し監督を務める。 |
| <筧奈緒美> ミュウ先輩 アイコの先輩で良き相談相手。 |
| <まりえ> アイコの友人 出版社に勤めている。 |
| <原田> アイコの大学の後輩 |
自信が持てない主人公
当然そうなると思う。
もし、自分に生まれた時から顔の左半分に痣があったら、
それを子供のころからずっと心無い言葉で指摘されたり、同情されたりしたら・・・
とてもじゃないけど、自分に自身なんて持てないと思う。
レベルが全然違うけど、私自身も子供のころ怪我をして手術痕があるので、水着を選ぶときなどは傷の部分が見えないものを選ぶよう苦労している。
多分、何も傷のない人よりは、主人公の気持ちが痛いほど分かるな。
自信持てとか、気にするななんて簡単にいうけど難しいですよ。
飛坂さんがあまり好きじゃない
自由奔放な人に特有のズルさみたいなのを感じてしまったな。
「僕は気まぐれだし、思ったようにしか動けないから。付き合うと大変だし、苦労するよ?」
『よだかの片想い』より
こんな事をいう人とは、付き合えない女性がほとんどではないでしょうか?
俺のやりたいようにやらせてね、邪魔しないで大人しく待っててねって感じ。
この小説がステキと言い切れない理由に、飛坂さんのキャラが大きいかも。
こういう人が好きな人もいるかもしれないけど、自分は最後まで好きになれませんでした。
アイコ自身も少し面倒くさい性格ですよね。
自由に飛び立つ人より、いつもそっと傍にいてくれる人の方が合っているような気がしました。
原田くんじゃダメなの?
恐らく原田くんは、アイコの事が好きなんでしょうね。
何度も原田くんはダメなの?って思いました。
同じ理系だし、慕ってくれる可愛い犬系はアイコにピッタリだと思うんだけど。
誰か周りのひと押しがあれば、原田くんに傾いていったような気がしないでもない。
アイコ自身が、自分を不幸にする男を選ぶ性質に思えてしまった。
好きな場面
好きな場面はそんなになかったかも、印象に残ったシーンは
- アイコが表紙になった雑誌を見た時の両親の反応
- 自分を演じるのが美人女優と知り、比べてしまうアイコ
- ちょくちょく出てくる原田の優しさ
- ミュウ先輩のシーン(ネタバレになるので割愛)
- アイコが自分の意見を言えるようになるところ
徐々に強くなっていくアイコを見守りつつ、読み進めました。
「よだかの片想い」を読んだ感想
島本理生さんの小説は読んだことが無かったけど、タイトルに惹かれて購入しました。
理系の女子大生が雑誌の表紙になり、映画監督と恋に落ちる。
少女漫画みたいなシンデレラストーリーかと思ったら、全然違いました。
結構重い内容なのに、読後感はなぜか爽やかでした。
やはりアイコの成長を感じられた、というのが大きいと思います。
私がこんなに会いたくて必死になっている間に、飛坂さんはべつの用事を優先させることを決めていた
『よだかの片想い』より
これが全てじゃない?
主人公が嫌いではないけど、ちょっと重いというか、面倒な女性だなって思いました。
やはり飛坂さんとは合わないんじゃないかな?
映画化
松井玲奈主演で2022年に映画化されています。