私は小説読むのが趣味です
読むのは遅いですが、一日一ページも本を読まないと何だか落ち着かなくなります
この記事では読んだら思わず旅に出たくなる小説を6冊ご紹介します
1冊目『スーツケースの半分は』 近藤史恵
日常に近く、共感する事間違いなし
オムニバス形式で、主人公がフリーマーケットでたまたま購入した青いスーツケース
このスーツケースが色んな人々の手に渡り、最後は元の持ち主のところに戻って来るまでのお話です
とにかく主婦とかOLとか身近なタイプが出てきて、それぞれが独自の旅をします
私が一番好きなのは、この中の「三泊四日のシンデレラ」という話です
旅のスタイルも人それぞれ、安宿に泊まってバックパッカーやるとか
年一度だけ毎回同じ高級ホテルに泊まるとか
絶景だけを見に行く、誰も知らないマイナーな国を旅する
観光だけをサラっとするとか、現地の人たちと溶け込みたいとか
自分の旅のスタイルを見つけるのにも良い一冊です

私の好きなセリフ「行きたい場所には自分で行く!」
夫にNYに行きたいとねだるが、全く相手にしてくれないので、自分で決心した主婦のセリフです
2冊目『旅のラゴス』 筒井道隆
旅がテーマのおススメ小説に必ずあげられる名著
とにかく主人公がカッコいい
小説の背景は、高度な文明を持つ星から異世界に移住した人々が、原始時代みたいに戻り生活しています
そうすると人々はその代償として、ちょっとした異能を持ち始めるという世界
主人公のラゴスはその世界の中で、文明時代の知識を求めて旅をします
人生=旅
そのためには大事なものもドンドン捨てていく
奴隷から王様になっても、愛する妻子が出来ても、十分なお金があっても
さらには目的を達成した後も旅をすることを辞めません
ラゴスが24歳から68歳までの旅の記録が収められています
大人が読んで楽しめる壮大なSF冒険小説となっています
3冊目『夕方らせん』 銀色夏生
17編からの短編集になります
この中の「月に落ちる池」という話が幻想的で良かったです
仕事が一段落したら電車に飛び乗り、どことは決めず行けるところまで行きつき
そこで1週間ほど旅をするのが趣味の主人公
東北地方に行き、夜に露天風呂に入っていると、一人の男から月の落ちる池の話を聞きます
次の旅行でふと思い出し、その池を探し当てます
この池の描写がたまらなくステキで、池に月が映ることはあっても、実際には落ちる事はないけれど
文学的にはこういう表現はよくあります
想像しただけでうっとりしてしまいました
ちょっとファンタジーで幻想的な話でした
4冊目『天国はまだ遠く』 瀬尾まいこ
大好きな作家さん。瀬尾まいこさんの2004年の小説
主人公は23歳のOL
家族からも愛され、友達もたくさんいて、若くて健康
ただ、仕事や生活に疲れてしまい自殺しようと考えます
この辺りの気持ちは私にはよくわからない・・・ちょっと自殺の動機が薄すぎるかな
日常生活の中では死ねない、さらにあまり遠くを目指すと途中で決心が揺らぐと考えます
京都の北の木屋谷(架空の町)に向かいます
そこでタクシーの運転手や、宿の主のあまりにも現実的な日常のやり取りで、出鼻をくじかれます
結局3週間ほど、海と山に囲まれた集落で生活し、自分を見つめ直すことになりました
たまには今いる場所からちょっと離れてみるのも良いかもと思えた一冊でした
5冊目『夏の朝の成層圏』 池澤夏樹
初版1984年。今から41年前の小説です
読者に前情報一切なし
いきなり海にライフジャケットを着た男が浮いている描写から始まります
どこの人なの?名前は?年齢は?なぜ海に浮いてるの?
頭の中にはてなマークがいっぱい登場します
取り敢えず海で遭難していて生きるか死ぬかの状態という事しか分からない
何とか無人島にたどり着き、そこからたった一人の無人島生活が始まります
お金も仕事にも縛られず、他者との関りもなく、情報も全て遮断された状況
生きる為だけに生きる
単なるサバイバルものではなく、主人公は自分は本当に元の文明社会に戻りたいのだろうか?
一人で葛藤していきます
ラストが気になって一気読みしました
6冊目『夢より短い旅の果て』 柴田よしき
鉄道旅ミステリーです
ミステリー色はちょっと薄めだけど読みやすいです
主人公は女子大生
4年前に行方不明になったとある人物を探すために鉄道旅同好会に入ります
そこで色んな旅をするというお話
私自身は鉄道に全く詳しくないけど
鉄道オタクだけではなく、駅好き、時刻表好き、廃線好き
色んなタイプがあるのだと、この小説を読んで知りました
小説に書いてあったのですが、駅好きというのは、電車ではなく車で駅まで行き、駅を見学してまた次の駅へ車で行くらしいです
それはそれで楽しそうですよね
いろんな電車や路線や駅が登場するので、そのたびにネットで検索して調べてしまうから、読むのにとても時間がかかりました
小説に登場した富山県の氷見線にいつか乗ってみたいです
後、図書館が併設されている駅があるなんて知りませんでした
全国に何か所かあるみたいで、こちらもいつか行ってみたいです
小説を読んだだけでちょっと旅した気分になれるのお得ですよね
今後も面白い小説たくさん読みたいです